「わからない単語はほとんどないのに英語長文で意味を取り間違えて点数が伸びない…」
「リスニングで難しい文法の英文が出てくると脳みそがフリーズして付いていけなくなる…」
こんなお悩みありませんか?
私も独学で英検1級・TOEFL iBT100点・TOEIC900点を達成するプロセスで同じ問題にぶち当たりました。
この「単語がわかっているのに英語長文がスラスラ理解できない」というのは「英文読解を勉強すべき!」というサインと言えます。
今日はそんな英文読解を学習したい方にオススメな「肘井 学の読解のための英文法が面白いほどわかる本(必修編)」について解説したいと思います。
「国内で英検1級・TOEFL100点レベルまでの完全まとめサイト」であるリフイングリッシュブログで繰り返し述べてきていますが、英語教材は自分に合ったものを選択し、使い倒して初めて意味があります。
これからお話しする「読解のための英文法(必修編)」を使い倒し方をぜひチェックして、意味ある英語学習を実践してほしいと思います。
では、いきます!
岡山 太|英語4技能コーチ
- 20歳から独学で英検1級・TOEIC 900点・TOEFL iBT 100点を達成し英語が話せるように
- 子どもから大人、初心者から英検1級レベルまで多くの英語学習者を直接指導
- 株式会社明光ネットワークジャパンにて、生徒数千人を輩出した英語スクールの事業責任者などを歴任
- 現在は、「全ての人の『英語が話せるようになりたい』を叶える」をミッションに、英語4技能コーチとして活動中。英語スクールのコンサルティングも行う
「読解のための英文法(必修編)」の著者について
教材選定で著者のバッググランドを把握することも大切です。なのでまずは著者情報を確認してみましょう。
著者は肘井 学(ひじい がく)さん。
スタディサプリで公開される「英文読解」の講座は年間25万人の生徒が受講する超人気講座となっているそうです。
慶應義塾大学文学部英米文学専攻を卒業し、全国の様々な予備校で働いていたそう。
この方の英語力がどの程度なのかはわかりませんが、大学受験英語のプロとしての経験が豊富で、この参考書からもわかるよう、わかりやすい英文読解の授業が強みのようです。
「読解のための英文法(必修編)」はここがいい!オススメする4つの理由
「読解のための英文法(必修編)」は特に英文読解を初めて学習する人・久々に英文読解を学び直したい人にオススメです。
レベルで言うと以下のような人が挙げられます。
「読解のための英文法(必修編)」がオススメなレベル
- 英単語と基礎英文法はひと通り学習したけど英語長文を読むのに慣れていない人
- 英検2級レベルの長文問題の正答率があまり上がってこない人
- 久々に英文読解を学び直したい人
オススメの理由は以下の4つです。
デザインが見やすい
独学で英検1級レベルに到達するために、私も何冊か英文読解教材を学習してきました。
例えば以下のような教材。
ただこうした教材は英検1級や難関大学向けで難しく、解説がまどろっこしかったりするのが難点です。
一方、「読解のための英文法(必修編)」はデザインがとてもスッキリしており、解説もシンプル。
「これだったら最後までちゃんとやりきれそう!」と思えるのも魅力の一つと言えます。
レベルの網羅性が高い
レベルの網羅性が非常に幅広く、意外に抜けがちな中学レベルから高校英語でもあまり出会うことのない倒置や比較表現まで学ぶことができます。
例えば以下のような英文が出てきます。
「読解のための英文法(必修編)」の英文例
- My brother made me clean his room.(P164)
- Were I in your position, I would not do that.(p114)
- We need to not only good launguage skills but clear thinking.(P126)
例題や確認問題で扱われる英文自体も決して難しくないのも、最初の英文読解教材としてもオススメな理由です。
文法項目のカテゴライズが秀逸
「読解のための英文法(必修編)」で何よりオススメしたいのが、この文法項目のカテゴライズです。
例えば第2章の「識別編」では、「~ingの識別」が以下4つでまとまっています。
「~ingの識別」で英文が読める(p70)
- 動名詞
- 進行形
- 現在分詞の形容詞用法
- 分詞構文
英文読解力がなく長文が読めないというのは、例えば動詞のVing形が出てきたときに、本当は現在分詞の形容詞用法なのに「進行形に違いない」と馴染みが深い文法事項だと勝手に勘違いして読み間違えを起こしているわけです。
一般的な文法書は、英語長文でVing形が出てきた時に起こりがちなこうした誤解を解決するためには作られていません。
一方、「読解のための英文法(必修編)」はこうした学習者の陥りがちな勘違いを補正するようにうまく文法項目が整理されています。結果、読解に必要な文法知識を効率的に整理しながら学習を進められるわけです。
リーディングだけでなくリスニング・スピーキング・ライティング力向上にも活用できる
「読解のための英文法(必修編)」ではこちらから英文の音声ダウンロードが可能です。また、AI英語教材アプリでもあるabceedでも無料再生が可能です。
音声を活用することでリーディングだけでなく、リスニングやアウトプットの学習まで行うことができます。
慣れない文法が使われた英文がリスニングで急に出てくると「あれ?今のどういう意味?」と脳みそがフリーズしてしまうこと、ありませんか?
そういう人は音声を活用した学習法でリスニング力まで伸ばすことをオススメします。
またこの参考書の例題で扱われている英文をそのままアウトプットでも使えるようにしてしまえば、英語4技能試験でのライティングやスピーキングの点数も上げられます。
この記事の後半ではリーディングやアウトプット力まで伸ばせる学習法を解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
「読解のための英文法(必修編)」の構成
使い方の解説に移る前に、「読解のための英文法(必修編)」の構成をざっくり説明しておきます。
例題
「読解のための英文法(必修編)」は1テーマごとに約5つほどの例題がついています。
解答・解説
右ページ以降は例題の解答・解説になっています。
和訳、解説、英文図解が載っています。
英文図解では英文ごとにSVOCMといった情報が記載されています。
確認問題・発展問題
各テーマごと、確認問題と発展問題もついています。
発展問題は大学の入試問題が扱われていますが、例題と確認問題をしっかり学習すれば十分挑戦できる内容になっています。
確認問題と発展問題の解答解説
例題の同様、確認・発展問題についても、英文図解、解説、和訳が載っています。
各テーマの例題一覧(英文・日本語訳)
各テーマの例題英文が日本語訳付きで一覧で掲載されています。
後ほど解説しますが、こちらのページをスピーキングやライティングといったアウトプット力の養成に使うことができます。
音声ダウンロード(abceedアプリでも再生可能)
例題、確認問題、発展問題全ての英文の音声がこちらからダウンロード可能です。
またAI英語教材アプリでもあるabceedでも無料再生が可能です。
音声スピードがかなり遅めなので、簡単に音声スピードを変更できるabceedアプリを活用するのがオススメです。
「読解のための英文法(必修編)」の使い方を超具体ステップごとに徹底解説!
ここからは「読解のための英文法(必修編)」の使い方を解説していきます。
どんな教材も使い倒さないと意味がありません。これから説明する方法を参考に、ぜひ「読解のための英文法(必修編)」を使い倒しちゃってください!
1周目|例題だけ取り組んで教材全体の文法事項を頭に入れる
教材は最低でも2周回しましょう。そうしないと定着しないからです。
1周目では例題のみ扱うのがオススメです。まずは教材の全体像を頭に入れるためです。
まずを例題の英文を自分の実力で読めるかどうかチェックしてみましょう。
解説や和訳は見ずに、一度英文を読んでみます。
この時、返り読みせずに文頭から一度読むだけでスラスラと意味がとれるかをチェックします。
次に少しばかり時間をかけて英文をじっくりと読みます。
自分なりに和訳をしてみましょう。
また、以下のSVOCMも意識して英文を分析してみましょう。
- S|主語
- V|動詞
- O|目的語
- C|補語
- M|修飾語
この時、ノートに和訳やSVOCMを丁寧に書いてもいいですが、時間が勿体無いと感じるなら頭の中で行ってすぐに次のステップ3に移ってしまってもOKです。
解答・解説ページを読みながら和訳とSVOCM分析の丸付けを行ってみます。
確認すべきは以下の項目です。
- どうして和訳を間違えたのかを自分で説明できるようになるまで理解する
- どうしてSVOCM分析を間違えたのか自分で説明できるようになるまで理解する
- 文頭からスラスラと意味が取れなかった場合は、どの箇所で引っかかるのかを把握しておく
ここまでのステップで英文を「理解」できました。しかしまだ技能として「定着」したわけではありません。
英語は技能なので知識を理解するだけでは足りません。必ず反復練習をして技能として体で覚える必要があるのです。
体で覚えてしまえば今回学んだ文法事項に長文問題で出会ったとき、頭で思い出そうとしたりする前に瞬間的に理解できるようになります。この領域まで、知識を技能へと昇華していきましょう。
そのためにやるのが、音声を利用したスクリプトシャドーイング(テキストを見ながらのシャドーイング)です。
スクリプトシャドーイング(テキストを見ながらのシャドーイング)のやり方
- 音声を聞きながら
- テキストの英文を見ながら
- 意味をイメージしながら
- 音声から少しだけ遅れて発話する
日本の英語教育では英語ができるようにはならない原因は、「音声を使わないこと」「発話練習をしないこと」「和訳をして満足してしまうこと」などが挙げられます。
英語は言語です。言語は耳と口で学んでいくのが人間にとっての自然な学習プロセスです。(母国語である日本語を学ぶときもそうでしたよね)
だから必ず音声を活用し、かつ何度も音読しましょう。
また和訳をして満足するのではなく、必ずイメージまでしっかり行うこと。英語を英語のまま直接イメージとして理解できるようになるまで繰り返し練習しましょう。
最後はチェックテストとして英文は見ないで音声を1回だけリスニングしてみましょう。
たった1回音声を聞いただけで、和訳せずに文頭からスラスラとイメージしながら意味がとれたら完璧です。
スピーキングとライティングも伸ばしたい人向け|例題一覧の使い方
「読解のための英文法(必修編)」のには例題一覧があります。
この例題英文はそのままアウトプットでも使えるようにしてしまうことで、より複雑な英文をスピーキングやライティングで表現できるようになるのでオススメです。
英文レベルがそれほど難しくないのもオススメできる理由です。(英文が難しすぎるとアウトプット練習の効率が下がってしまうため)
もし英検やTOEFLといった英語4技能試験を受験予定の人は、以下のやり方に習ってアウトプット練習も同時に進めてみましょう。
先ほどスクリプトシャドーイング(テキストを見ながらのシャドーイング)を練習したと思いますが、一段階レベルを上げて、スクリプトなしでシャドーイングを行います。
これによって、よりスピーキングに近い状態で練習を行うことができます。
スクリプトなしシャドーイングのやり方
- 音声を聞きながら
- テキストは見ないで
- 意味をイメージしながら
- 音声から少しだけ遅れて発話する
テキストなしシャドーイングができるようになったらだいぶ英文が口に馴染んできていると思います。
次は、音声を止めて、口に馴染んだ英文を繰り返し音読してみましょう。
この時に途中でつっかえてしまったりしないよう、まるで英語ペラペラな人が話しているようにスラスラと音読します。
次に、リードアンドルックアップを行います。
リードアンドルックアップのやり方
- 英文を口に馴染ませるようにスラスラと繰り返し音読する(Read!)
- 顔を上げて、英文を見ないでそのままスピーキングしている気分で英文をスラスラと発話する(Look up!)
これを繰り返します。
ポイントは、頭で覚えて思い出そうとして発話するのではなく、口が覚えてスラスラと勝手に話せるようになるまで何度も練習すること。
英語は頭で覚えるのではなく口で覚える意識で練習しましょう。
最後チェックテストとして、日本語をチラッと見るだけで英文がスラスラと口から出てくるかを確認してみましょう。
この時も日本語をチラッとみたら必ず顔を上げて英語を発話するのがポイントです。日本語を見ながらやるとどうしても頭が英訳をしたくなってしまうからです。
先ほども述べたようにポイントは、頭で覚えようとしたり英訳しようとするのではなく、口で英文を丸ごと覚えてしまうこと。
こうして口が自動化できた英文のみが、スピーキングの時に不意に口から飛び出す生きた英語としてあなたの中に残ってくれるからです。
だから日本語はチラッと見る程度にして、すぐに顔を上げSpeak!
これを繰り返してみましょう。
この学習法を組み入れることで「読解のための英文法(必修編)」を単なるリーディング教材ではなく、アウトプット教材として使い倒すことができます。
2周目|確認問題と発展問題にも同じ要領で取り組む
2周目は例題の復習に加え、確認問題と発展問題にも取り組んでいきます。
要領は1周目で例題で行ったことと同じなので、ここでは簡単に解説します。
2周目でももう一度例題をチェックしておきましょう。
忘れていたら再度定着させるチャンスです。スラスラ意味が取れなかったら1周目のやり方に戻って復習しておきましょう。
例題の時と同じ要領で、まずは自分の実力試しとして確認・発展問題の英文にも取り組んでみましょう。
次に少しばかり時間をかけて、自分なりに和訳をし、その後SVOCM分析を行います。
別冊の解説を見ながら和訳とSVOCM分析の丸付けを行います。
チェックする項目も1周目と同じです。
- どうして和訳を間違えたのかを自分で説明できるようになるまで理解する
- どうしてSVOCM分析を間違えたのか自分で説明できるようになるまで理解する
- 文頭からスラスラと意味が取れなかった場合は、どの箇所で頭が引っかかるのかを把握しておく
確認・発展問題も英文音声がダウンロード(もしくはabceedアプリで再生)可能なので、スクリプトシャドーイングを繰り返しておきましょう。
スクリプトシャドーイング(テキストを見ながらのシャドーイング)のやり方
- 音声を聞きながら
- テキストの英文を見ながら
- 意味をイメージしながら
- 音声から少しだけ遅れて発話する
繰り返しになりますが、英語は知識を理解するだけでは伸び悩みの原因になります!
必ず耳と口で覚えてしまうまでスクリプトシャドーイングを反復練習しましょう。
最後のチェックの仕方も例題と同じです。
たった1回だけ聞いただけで、和訳せずにスラスラとイメージしながら意味が取れたら完璧です。
並行して英語長文をガシガシ読み、「読解のための英文法(必修編)」は辞書のようにして活用する
「読解のための英文法(必修編)」を学習しながら、時間に余裕がある人は並行して英語長文にも取り組みましょう。
当たり前ですが英語長文を読んでいると「読解のための英文法(必修編)」で学んだ文法事項がランダムで出てきます。そのため、「読解のための英文法(必修編)」で覚えたはずの文法事項が、初見長文でいきなり出会うと読解できなかったりします。
でも、まずはそれでいいのです。その時しっかり「あ、これ、『読解のための英文法(必修編)』で学んだ文法事項だ!」と思い出して意識化することが大事です。
必要であれば「読解のための英文法(必修編)」をパラパラと辞書のように見直し、「自分はまだこの文法事項が苦手なんだな」と復習すればいいのです。
こうして「読解のための英文法(必修編)」と長文問題演習を並行させることで様々な場面で文法に出会うことができ、自然と定着していくからです。
少し難しい話になりますが、Paul Nationという応用言語学者の理論を参考に考案した英語11技能という視点で言うと、「読解のための英文法(必修編)」含めた英文読解の学習は「文法」と「精読(Intensive Reading)」にあたります。
英語力を効率的に伸ばしていくためには精読だけに偏ることなく多読(Extensive Reading)もバランスよく行なっていくことが大切です。
精読と多読の違い
- 精読|文法や構文を意識してゆっくりと精確に読んでいく
- 多読|意味の理解だけに集中して大量の英文を早く読む
しかし、日本人学習者はどうしても精読系の英文読解教材に時間をかけすぎて多読を怠り、Extensive Learningが不足しがちです。
だから、「読解のための英文法(必修編)」を精読教材として活用しながら、一方でたくさんの英語をガシガシ読むこと。
そうすることで精読(Intensive Reading)と多読(Extensive Reading)のバランスを向上させていくことができます。
「読解のための英文法(必修編)」を使って読解力を高めよう
今回は「読解のための英文法(必修編)」の使い倒し方を解説しました。
こうした方法で英語教材を使い倒していくことができれば、日本国内で英検1級やTOEFL iBT 100点を達成することも夢ではありません。
国内で英検1級・TOEFL100点レベルまで英語力を伸ばす具体的な方法をリフイングリッシュブログで発信していきますので、日本で英語をマスターしたい人はぜひ参考にしてみてください。
また、「英検やTOEFLなどの英語4技能試験の点数が伸びない」「勉強法がわからない」という人は、完全オーダーメイドの英語4技能コーチ(リフイングリッシュコーチ)もオススメです。
生徒一人ひとりに合わせてゼロからカリキュラムを作り、マンツーマン指導で今日話したような学習法を丁寧に指導、1日単位で学習計画を立て、日々のフォローをLINEで行うことで学習習慣の形成までお手伝いしています。
日本国内で高い英語4技能を達成するための全て(戦略・方法・計画・習慣)をご提供お伝えできるので、ぜひ気になる方はお気軽に無料カウンセリングにお申し込みください。
「英語ができるようになりたい」を日本国内で叶えるために、ぜひ効果的な英語学習法を身につけ楽しく英語をマスターしていきましょう!
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!